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検品の仕事とは?仕事の特徴、向いている人、給与相場を解説

検品の仕事とは、一見すると目立たない仕事に見えますが、私たちが使っている数えきれない商品、日常生活に欠かせない製品を安心安全な状態で使えるようにし、事故、怪我などを防ぐ上で重要な役割を担っています。

検品は、食品から衣類、電子機器まで、さまざまな製品を扱います。これらの製品ごとに求められる検品の方法や基準は異なり、それぞれに特徴、向き不向きが出てきます。

この記事では、検品の仕事とはどういうものか?一般的な検品方法、商品ごとの作業の特徴や向いている人の特徴について解説いたします。この仕事にご興味のある方は、この記事で自分に合った検品の仕事を見つける一助となれば何よりです。

 

 

「検品」とは?

 検品

 

1.検品の仕事の概要

検品の仕事は、私たちが毎日使う様々な製品が、安全で高品質であることを確保するための重要な役割を果たしています。この仕事では、製品が設定された品質基準や安全基準に適合しているかどうかをチェックします。

具体的には、製品の外観、機能、寸法などを検査し、不備がないかを確認する作業です。
例えば食品の検査であれば、清潔さや賞味期限、内容物の正確性。衣類なら縫製の品質やサイズの正確性、色味。電子機器なら各機能のチェック、安全基準の遵守などを確認します。

この作業は主に「入荷検品」と「出荷検品」の二つの段階に分けられます。
それぞれの段階で行われる具体的な作業を見ていきましょう。

 

2.検品の段階

● 入荷検品

入荷検品は、製造業者や仕入先から届いた製品や部材が最初に工場や倉庫に到着し、中に入れる前に行われる作業です。この段階での主な目的は、製品が注文通りに届いているかの確認。汚損や破損などの初期不良品がないかを確認することです。

・数量確認:納品書と届いた製品の数量、品番が一致しているかを確認します。
・外観検査: 製品の外見をチェックし、傷や汚れなどの有無を検査します。
・受領書渡し:製品に問題がないことが確認出来たら、仕入先に対して受領書を渡します。

● 出荷検品

出荷検品は、倉庫からピッキングした商品を梱包し、出荷する際に行う最終チェックです。出荷検品でミスが起こると、納入先に対して誤出庫、誤送、破損した状態で商品をとどけることになります。

・数量確認:注文書とピッキングした商品の数量、品番が一致しているかを確認します。
・外観検査:製品を梱包する前段階で、外観に関するチェックを行います。
・機能検査:電子機器や機械設備などは、動作テストや安全テストを実施します。
・包装検査: 適切な包装、必要なラベル貼付け、輸送中の損傷を防ぐための措置が講じられているかを確認します。
・配送準備: 最終的に製品が出荷のために適切に準備されているかを確認します。

 

3.検品の方法

検品作業は、目視検査と機械による自動検査と大きく二つの方法に分けられます。これまでは目視で行われることが多かったのですが、労働力確保の困難、品質要求の上昇などを背景に、近年では検品作業の自動化が進んでいます。

どちらの方法を採用するかは、検査する製品の種類、必要な精度、生産量、コストなどによって異なります。

● 目視検査

・特徴:検品者が直接製品を見て、欠陥や不具合を確認します。細部のチェックや複雑な品質基準を要する製品に多く見られます。

・適用例:衣類の縫製チェック、食品の品質検査、小規模生産品の検品など。

・利点:複雑な品質基準や細かい欠陥の発見に適しています。また、特殊な機械が不要なため、設備投資が不要な分、低コストでの検査が可能です。

・欠点: 作業者の疲労や注意力の低下による誤検査のリスクがあります。

● 機械による自動検査

・特徴:カメラ、センサー、スキャナーなどの機械を使用して製品を自動的に検査します。大量生産される製品に多く見られます。

・適用例:電子機器の機能テスト、自動車部品の寸法測定、製薬業界の成分分析など。

・利点:大量の製品を短時間で検査できるため、生産効率が高いです。また、目視に比べて一貫性と精度が高い検査が可能です。

・欠点:初期投資や、導入後の設備を使うためのトレーニング、定期的な設備メンテナンスにコストがかかります。また、機械が検知できない細かな欠陥を見逃す可能性もあります。

 

 

2.商品別検品の種類

ポイント

検品の仕事は、扱う商品によってその特徴や必要な検査方法が異なります。以下は、様々な商品の検品作業の特徴についての概要です。

 

1.本

本、書籍

・商品例:小説、教科書、雑誌

・作業の特徴:ページの破れ、印刷の誤り、装丁の品質をチェック

・検査方法:主に目視検査。細かい印刷ミスや装丁の品質を人の目で確認。

 

2. 文房具

文房具

・商品例:ペン、ノート、定規

・作業の特徴:インクの流れ、物理的な損傷、機能のチェック

・検査方法:目視検査が多い。機能的な面は一部自動検査を利用することもある。

 

3. アパレル

アパレル

・商品例:Tシャツ、ジャケット、ズボン

・作業の特徴:縫製の品質、色の一貫性、サイズの確認

・検査方法:目視検査が中心。細かな縫製の不備や生地の品質をチェック。

 

4. 生鮮品

生鮮品

・商品例:野菜、果物、肉

・作業の特徴:新鮮さ、傷み、外観の品質を評価

・検査方法:目視検査が主流。新鮮さや外観は直接的な視覚での評価が重要。

 

5. 日配品

日配品

・商品例:牛乳、ヨーグルト、チーズ

・作業の特徴:賞味期限、包装の密閉性、外観のチェック

・検査方法:主に目視検査。

 

6. 乾物缶詰

缶詰

・商品例:乾麺、缶詰、インスタント食品

・作業の特徴:賞味期限、包装の損傷、内容物の確認

・検査方法:目視検査が中心。

 

7. 化粧品

化粧品

・商品例: :リップスティック、ファンデーション、スキンケア製品

・作業の特徴:成分の一貫性、包装の完整性、色の一貫性のチェック

・検査方法:主に目視検査。色や質感の評価は人の目にまだ依存しています。

 

8. 医薬品

医薬品

・商品例:錠剤、液体薬、外用薬

・作業の特徴:成分の正確性、包装の密封性、ラベリングの確認

・検査方法:外観、ラベリング、包装のチェックは目視検査が主。成分の分析などは物流センターでは基本的に行ないません。

 

9. 医療材料

医療材料

・商品例:医療用ガーゼ、手術用器具、バンドエイド

・作業の特徴:滅菌状態の確認、物理的な損傷や包装の完整性のチェック

・検査方法:滅菌状態の確認は製造段階で実施済み。主に目視検査を行います。

 

10. 部品

部品

・商品例:機械部品、自動車部品、電子部品

・作業の特徴:寸法の精度、材質の品質、機能性のチェック

・検査方法:物理的な損傷や外観の確認を目視検査中心で行っています。

 

11. 電子機器

電子機器

・商品例:スマートフォン、タブレット、コンピュータ

・作業の特徴:外観のチェック、部品の欠落、動作の確認

・検査方法:主に目視検査で、機能検査は限られた項目でのみ行われます。

 

12. 電化製品

家電製品

・商品例:冷蔵庫、洗濯機、エアコン

・作業の特徴:外観のチェック、損傷の確認、付属品の完全性の確認

・検査方法:機能テストは基本的に製造段階で完了した状態になっており、目視検査が主流となります。

 

各商品における検品作業は、その特性に応じて異なりますが、総じてどの商品でも、物流センターや倉庫で行われる検品は、主に製品の外観、包装、ラベリング、および基本的な物理的損傷の確認に焦点を当てています。

目視検査は、これらの要素を確認するために広く用いられており、製品が消費者に届く前の最終チェックポイントとして重要な役割を果たしています。

高度な機能検査や詳細な品質分析は、製品の製造過程や専門の品質検査施設で行われることが一般的です。

 

 

検品が向いている人の特徴

強み、得意

検品の仕事に向いている人の特徴として、以下の点が考えられます。

 

● 細部への注意力

製品の小さなキズや不具合を見逃さないような注意深さが求められます。細部への注意力は、検品作業において非常に重要です。

● 継続性

長時間にわたって同じタイプの作業を続ける集中力と持続力が必要です。一定の作業に飽きずに続けることができる人に適しています。

● 正確性

検品作業では、製品が正確な品質基準に適合しているかを確認することが求められます。細かなデータや指示を正確に理解し、適用する能力が重要です。

● 慎重さ/丁寧さ

検品作業は慎重さと丁寧さが求められます。焦らず、慎重に物事を進めることができる人に向いています。

● 品質を大切にする心

製品が最終的な品質基準を満たしているかを確認するために、高い品質意識が必要です。製品の品質に責任を感じ、それを重視する姿勢がある人が適しています。

 

これらの特徴を持つ人は、検品の仕事で高いパフォーマンスを発揮することができるでしょう。特に、細かなディテールに注意を払い、丁寧に作業を進めることができる人は、検品作業において非常に有効です。

自分がこれらの特徴に当てはまるかを考えることで、検品の仕事が自分に適しているかを判断することができます。

 

 

検品の給料相場

給料相場

Indeedの採用市場レポートによる2023年11月調査によると、検品の平均的な時給は1,294円となっています。

関西圏の2府4県では、次のようになっています。

 

  • 大阪府:1,320円
  • 京都府:1,292円
  • 滋賀県:1,344円
  • 兵庫県:1,304円
  • 奈良県:1,182円
  • 和歌山県:1,209円

 

 

まとめ

 検査・検品 

検品の仕事は、私たちが使う製品が品質基準をクリアしていることを確認する大切な役割を担っています。

この仕事では、特別な資格を取る必要はありません。細かい部分に気を配れる目の良さ、長時間同じ作業を続ける集中力、そして製品の品質を大切にする心が優先されます。

検品作業は、製品によって少しずつ見るポイント違いますが、基本的には製品の外観や包装をチェックすることが多くなります。この仕事は、仕事を通じて品質管理の大切さを学び、製品がお客さんの手に渡る前の最後のチェックポイントとして重要な役割を果たしていることを実感できるものとなります。

細かいことに気付き、一つの作業に集中する力を持っている人にとって、検品の仕事は大きなやりがいを感じることができるでしょう。資格がなくても始められる検品の仕事は、製品の品質を守るために不可欠な役割を果たし、多くの業界で重要視されている仕事なのです。

 

 

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