お役立ちコラム

医療材料のピッキングの仕事とは?仕事の特徴、向いている人、将来性まで徹底解説

この記事では、病院やクリニック、その他の医療施設で使用される医療材料を、正確で迅速に供給するための重要な役割である、医療材料ピッキングの仕事について解説します。

 

医療材料とは、ガーゼや手袋、消毒液、包帯、メスなどを指します。医療材料のピッキングとは、注文に応じて倉庫や保管場所から正しい医療材料を選んで出荷の準備をする作業です。

 

手術や治療などで医療材料を必要としている患者に、「必要な時」、「適切な量」、「正しい材料」を医療現場に届けられる状態を維持するために非常に重要で、社会貢献性の高い仕事となります。

 

そして、医療系の資格が特になくても未経験で挑戦できる仕事でもあります。
この記事を通じて、この仕事の流れ、魅力、難しい部分などについて分かりやすく解説していきます。

 

なお、ピッキングの仕事内容は、一般的には「倉庫や工場などの保管場所において、注文リストや指示書(ピッキングリストと言う)に従って必要な商品や製品を取り集めて仕分けや出荷準備を行う作業」となります。

 

過去の本サイトのコラムにも、詳しい解説記事を載せています。宜しければこちらもご覧ください。

ピッキングとは?仕事内容、特徴、向いている人、給与相場を解説

 

ピッキングの仕事はきつい?商品ごとの作業の特徴、向いていない人を解説

医療材料とは?

 医療材料

最初に、医療材料とはどういうものかについて、もう少し詳しく整理しておきます。

 

1.消耗品

使い捨てのものや、使うたびに交換や補充が必要な物を指します。

例:ガーゼ、包帯、手袋、注射針、マスク、注射用アルコールパッド、滅菌シート、ラップ、シリンジ、止血テープ、吸引カテーテル、アンダーパッド、エコノミーパッド、医療用テープ、滅菌綿棒など。

 

2.耐久品

使用するたびに滅菌洗浄をして何度も使用するものや、定期的なメンテナンスをしながら使うものを指します。

例:聴診器、血圧計、体温計、診療台、検眼鏡、滅菌器、耳鏡、パルスオキシメーター、超音波診断装置など

 

医療材料のピッキング作業では、主に消耗品を扱います。耐久品も扱うことはありますが、扱う頻度は少なくなっています。

また、病院によっては、医療材料を診療材料と呼ぶところもあります。

ボールペンなどの文房具、石けん、アルコール消毒液などは医療材料には含まれませんが、病院によってはこれらも含めて「医療材料」「診療材料」と呼んでいることもあります。

 

 

医療材料のピッキングとは?

医療材料のピッキングは、患者の治療に直結する仕事になるため、正確な作業と責任感が求められます。材料一つ一つは比較的小型で軽量になりますが、これらを大量に詰めた段ボールなどは10数キロになるものもあります。

 

医療材料を扱う場所(専用の倉庫や病院など)は清潔な所が多く、気持ち良く働けます。

医療材料のピッキング作業は、医療材料用の物流倉庫、病院内の物流(院内物流:SPD[Supply Processing and Distribution])、と2種類あります。

 

1.医療材料用の物流倉庫でのピッキング

医薬品物流センター

●特徴

・医療材料卸会社(商社)が持つ物流センターや営業所になる倉庫等が現場となる。

・倉庫の規模が大きく大量の医療材料を保管しており、広範囲のエリアに配送を行う。

・一度誤った配送をすることが難しいため、誤出庫、誤配送を防ぐ仕組みを構築している。

・空調管理されている倉庫もあれば、エアコンがない現場も時折あります。

 

●作業手順

1.受注処理:医療施設からの注文を受け、必要な材料リストを作成します。

2.ピッキング:指定された医療材料を在庫から選び出し、ピッキングリストに従って集めます。

3.検品:集めた材料が注文リストと一致するか確認し、品質チェックを行います。

4.梱包:確認された材料を適切に梱包し、配送の準備をします。

5.配送手配:トラックなどに梱包された材料を積み込み、医療施設への配送を手配します。

 

●使用される機器、システム、技術

・フォークリフト、パレットジャック: 重い荷物や大量の医療材料の移動に使用されます。

・バーコードスキャナー: 材料の迅速かつ正確な識別とトラッキングに利用されます。

・在庫管理システム: 材料の在庫状況をリアルタイムで追跡し、管理します。

・オーダーマネジメントシステム: 注文の受付から処理までを効率化します。

 

2.院内物流(SPD)でのピッキング

病院内

●特徴

・数百床規模の病院や、小規模でも効率化・高いレベルで品質管理に取り組む病院が現場となる。

・消耗品だけでなく、滅菌済みの器具や材料も多く管理している。

・病院内の医療現場で発生する需要に迅速に対応する。

・ピッキングだけでなく、滅菌工程がある。

・空調管理されている清潔な現場である。

 

●作業手順

1.使用済み器具の受け取り。

2.洗浄、消毒、滅菌プロセス。

3.滅菌済み材料の保管。

4.医療現場毎の需要に応じて配送。

 

使用される機器、システム、技術

・バーコードスキャナーや在庫管理システム。

・病院内での廊下やエレベーターでの移動に適した小型の専用カート。設備投資が進んでいる病院では、自動搬送システムやロボットを使用することもある。

 

 

医療材料のピッキングが向いている人とは?

Check

以下に、この作業が向いている人の能力、資質を挙げます。

 

1. 細かな内容への注意

この仕事では正確性が重要です。細かい記載内容に気を配り、ミスを最小限に抑えることができる人が向いています。

 

2. 立ち仕事への対応

重量物はあまりありませんが、立ち仕事になるためそれができる体力は必要。

 

3. 迅速に対応できる

緊急の要求に迅速に対応する必要があるため、素早く行動できる人が求められます。

 

4. チームワーク

現場の仕事はチームで行われることが多いため、協力して作業できることが重要です。

 

 

医薬品ピッキングは未経験でもできる?

未経験OK

専門分野である医療業界ですが、医療材料のピッキングは未経験でもできる仕事です。

以下の点を押さえておくとスムーズにこの仕事に入っていけるでしょう。

 

1. 正確性

医薬品の正確な識別と数量の確認には、細かな記載内容に慣れることが必要です。

 

2. 責任感

作業のミスは、患者の健康に直結するという責任感を持つことが必要です。

 

3. 立ち仕事への慣れ

経験がない人だと、最初は足腰が疲れます。ストレッチをする、お風呂に入るなど体のメンテナンスに力を入れながら、慣れるようにしていきます。

 

4. 現場の先輩スタッフとの関係構築

特に院内物流は医療現場に近いため、ピリピリした雰囲気もあります。親切に教えてくれる人もいますが、その雰囲気ゆえに当りがキツイと感じる人も実際にいます。まず現場の雰囲気を受け入れること、頼りやすい人を早く見つけること、関わりにくいと感じる人をうまくいなせる方法を見つけましょう。

 

5. 長時間の集中力

繰り返しの作業を行うため、それに対して持続的に集中力を維持することが必要です。

 

6.疑問解消

あいまいな点、うろ覚えと思う所があれば、自分で判断せず分かる人に質問し、正しい内容を確認していくことが重要です。

 

これらのポイントを意識し、積極的な姿勢で業務に取り組むことで、未経験でも医薬品ピッキングの仕事ができるようになります。

 

 

医薬品ピッキングの今後の需要

成長市場

人生100年時代が到来したと言われる日本では、高齢化社会の進行と医療技術の発展により平均寿命が伸び続けていますが、その分、医療機関の利用頻度が増え、医療材料の消費量も増えています

 

医療の需要自体は、人が生きている限りなくなるものではないので、景気に左右されることなく今後も需要が期待できる市場と言えます。

医療従事者不足の問題もあって、医療系の資格や経験がなくても挑戦できる医薬品ピッキングの需要は今後も見込めます。機械やAIによる自動化が進むことで人材が不要となる仕事があるとも言われる中、この仕事は人材が必要とされる仕事になるでしょう。

 

 

まとめ

意味あるキャリア 

今後の需要がますます期待できる上、未経験でも挑戦できるこの仕事は、労働者にとっても魅力ある仕事の一つとなり得ます。

 

実際に医療現場で使われる材料を扱うこの仕事は、陰ながら多くの人の健康を守る事を実感できる社会貢献性の高い仕事。この仕事に挑戦して、自分自身の成長と同時に社会に貢献する喜びを感じてみませんか?

 

医療材料のピッキングは、やりがいがあり、長く続けられる仕事でもあります。

 

 

\医薬品ピッキングの求人情報をチェック/

ジャパンナヴィゲイト 医薬医療材料ピッキング系求人情報

記事一覧へ