軽作業の仕事とは?|仕事内容、向いている人、時給相場を解説
日々の生活の中で気づかない存在として、多くの製品やサービスを支えている「軽作業」。軽作業と一言で言っても、様々な仕事内容があります。
具体的に軽作業とはどのようなものなのでしょうか。
どんな種類の仕事が存在し、どのような人が向いているのか。また、給与相場はどのようになっているのか。
この記事では、これらの疑問に答えながら、軽作業の仕事の魅力や多様性を詳しく解説していきます。
目次
「軽作業」の定義
軽作業とは?
軽作業は、専門的な技能や知識を必要としない、短期間で習得できる作業を指します。一般的には、「誰にでも覚えやすい簡単な作業」とも形容されます。
「軽作業」は、「light work」という英語を訳したものと言われています。ここでいる「light」は、物理的な「軽い」だけでなく内容的に「簡単な」という意味もあります。
軽作業は、倉庫や工場での商品の梱包や仕分け、ピッキング、部品の組み立てなど、特別なトレーニングや専門資格が不要な作業を中心としています。
軽作業の基準となる荷物や商品の重さ
一般的に、軽作業として分類される作業は、10kg以下の荷物や商品を扱うものが多いです。但し、明確な基準があるわけではなく、場所や業種によっては異なる場合もあります。
また求人毎に異なる場合もあるので、都度、扱う荷物や商品がどの位の重さなのかを確認すると良いでしょう。
軽作業の特徴
・短期習得:特別なトレーニングや教育が不要で、比較的短時間で作業の流れや方法を習得できます。
・体力的な負担が少ない:物理的に重い作業は少ないことが多く、体への負担が軽減されます。
・幅広い年齢層:特定の年齢層に限定されにくく、未経験でも多くの人が携わりやすくなっています。
・モクモクと作業ができる: 多くの軽作業は、倉庫や工場などで行われ、主に物を取り扱う作業が中心となるため、いわゆる“人と接する仕事”が苦手な方にも合っています。
・初心者歓迎:専門的な経験やスキルが求められないことが多いため、初めての仕事としても適しています。
・多様な業界での需要:物流、製造、食品加工など、さまざまな業界で「軽作業」と名の付く仕事の需要があります。
軽作業の種類
軽作業には様々な仕事があります。専門的なスキルや知識は求められませんが、それぞれに活かせる能力や資質が異なります。
軽作業の主な種類とその内容、役に立つ能力・資質について解説します。
1.商品の梱包・仕分け
物流センターや倉庫で主に行われる作業。商品を適切な箱や袋に入れ、出荷や販売のための準備を行います。商品の種類や形状、重さに応じて最適な梱包材を選びます。
例えば、壊れやすい商品はバブルラップで包むなど、商品を保護する方法を選択します。
●役立つ能力・資質
・手先の器用さ:商品を傷つけず、効率よく梱包する技術が求められます。
・注意力:商品の特性を理解し、適切な梱包方法を選ぶ必要があります。
・一定の体力:立ち仕事がメインになることと、箱を持つ程度の体力は必要となります。
2.商品の仕分け
同じく、物流センターや倉庫で主に行われる作業。入荷した商品や出荷前の商品を、目的や送り先に応じて分類する作業。
例えば、同じ商品でも送り先が異なる場合や、異なる商品を同じ送り先にまとめて出荷する場合など、細かな指示に基づいて商品を仕分けます。
●役立つ能力・資質
・注意力:送り先や商品の種類に間違いがないように、細心の注意を払う必要があります。
・組織的な思考:複数の指示を混同せずに処理しながら、効率的に作業を進めるための思考が求められます。
・一定の体力:立ち仕事がメインになることと、箱を持つ程度の体力は必要となります。
3.ピッキング
物流の現場で重要な役割の一つが「ピッキング」。倉庫内で指示された商品を取り出し集める作業。
●作業の流れ
・注文の確認:まず顧客からの注文内容を見て、商品の種類、数量、送り先などの情報を確認します。
・商品の選定:注文書に基づき、倉庫内から正確な商品を選び出します。この際、商品の場所や、最も効率的な取り出し順序などを考慮することが重要です。
・商品の検査:取り出した商品が注文内容と一致しているかを確認します。商品の型番やバーコードを使用して確認作業を行うことが一般的です。
●役立つ能力・資質
・注意力:注文内容と実際の商品が一致しているかを確認する上で必要です。間違った商品を取り出すと、後の作業にも影響が出るため、正確さが重要となります。
・スピード感:注文の取り扱いを迅速に行うことで、効率的な物流を実現します。特に、大量の注文が入る場合や、急ぎの注文がある場合には、正確性と同時にスピードも求められます。
・記憶力:倉庫内の商品の配置や、よく取り扱う商品の場所などを覚えておくことで、作業の効率を向上させることができます。
4.部品の組み立て
製造業や工場での一般的で中心的な作業です。指定された部品や材料を使用し、組み立て図や指示に従って製品を組み立てます。
●具体例
・家電製品の部品組立(エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品の部品の組立)。
・玩具の組立(子供向けの玩具や模型などの部品を組み合わせる作業)。
・自動車の小部品の組み立て(車のエンジンやドア、シートなどの小部品の組立作業)。
●役立つ能力・資質
・手先の器用さ:小さな部品や複雑な形状の部品を正確に組み立てるため。
・集中力:一つ一つの部品が正確に組み立てられているかを確認しながら作業を進めるため。
・緻密な作業を行う耐性:長時間、細かい作業を続けることが多いため、そのような作業を苦にしない耐性が必要です。
●産業機械や配電盤などの組み立てについて
これらの製品の組み立ては、一般的な軽作業とは異なります。専門的な知識や技術が求められる上、重たい部品や特殊なツールを扱うことが多いため、特別な訓練や資格が必要とされる場合もあります。
このため、これらの組み立て作業は専門的なカテゴリーに分類されることが一般的です。
5.ラベル貼り
製品や部品のサイズ、形状、材質に合わせて、適切なラベルを選び、指定された位置に貼り付けます。シンプルな作業ながらも製品の品質や情報を伝達するための重要な作業です。
●ラベルの種類
・成分表示ラベル:食品や化粧品など、成分情報が求められる製品に使用されます。
・使用方法ラベル:製品の正しい使用方法や取り扱い注意を伝えるためのラベル。
・バーコードラベル:商品の管理や販売時に使用される、バーコードが印刷されたラベル。
●役立つ能力・資質
・視力:ラベルの位置や向き、また小さな文字の確認など、作業中に細かい点を見落とさないようにするための良好な視力が必要です。
・注意力:特に食品や医薬品など、ラベル情報が非常に重要な製品では、間違いが許されないため、高い注意力が求められます。
・手先の器用さ:ラベルを歪まず、空気泡なく、きれいに貼るための技術や手先の器用さが必要です。
6.検品作業
顧客に品質基準を満たした製品を提供するため、出荷前の製品を最終チェックする作業。
出荷前の製品を一つ一つ確認し、製品の仕様や品質が正確に保たれているかをチェックします。
●主なチェック内容
・外観チェック:製品の外観に傷や汚れ、変形などの不具合がないかを目視で確認します。
・機能チェック:動作する製品の場合、正常に動作するかを確認します。
・部品の欠損チェック:製品に必要な部品やアクセサリーが全て揃っているかを確認します。
●役立つ能力・資質
・集中力:一つ一つの製品を丁寧にチェックするため、集中力を保つことが非常に重要です。
・細かい作業への耐性:製品の小さな部分や、微細な不具合も見逃さないようにするため、細かい作業に対する耐性が求められます。
・正確さ:製品の品質を確保するため、正確さを持って作業を行うことが不可欠です。
7.封入作業
マーケティングや広告の一環として、チラシやカタログ、商品サンプルなどの情報物を封筒や袋に入れ、封をする作業です。
●具体的な例
・ダイレクトメールの封入:特定のターゲットに向けた広告や情報を送るためのダイレクトメールの封入作業。
・商品サンプルの封入:新商品のサンプルやキャンペーンの一環としてのサンプルを封入する作業。
・イベントの招待状やチケットの封入:特定のイベントや展示会への招待状やチケットの封入作業。
●役立つ能力・資質
・手先の器用さ:情報物を綺麗に整え、スムーズに封筒や袋に入れるための手先の技術や器用さが必要です。
・スピーディな作業能力:大量の情報物を短時間で処理するため、作業の速さが求められます。特に、キャンペーンやセールなどの短期間のイベントに向けての封入作業では、迅速な対応が必要となります。
・集中力:同じ作業の繰り返しとなる封入作業ですが、ミスを防ぐための集中力が求められます。
8.データ入力
コンピュータを使用して、紙の書類や他の情報ソースから、必要なデータをコンピュータに入力する作業です。
●具体的な例
・顧客情報の入力:新しい顧客の名前、住所、連絡先などの情報をデータベースに入力する作業。
・商品情報の入力:新商品の詳細や価格、在庫数などの情報をシステムに入力する作業。
・アンケート結果の入力:アンケートやフィードバックの結果を集計し、分析のためのデータとして入力する作業。
●役立つ能力・資質
・正確なタイピング:データの正確性は非常に重要なため、間違いのないタイピングが求められます。特に、数字や特殊な文字を含むデータ入力では、高い正確性が必要です。
・PCの基本操作力:データを入力するためのソフトウェアやツールの基本的な操作方法を理解し、スムーズに作業を進める能力が必要です。
・集中力:同じようなデータの入力を続ける作業となるため、ミスを防ぐための集中力が求められます。
・作業スピード:大量のデータを短時間で入力する必要がある場合も多いため、効率的に作業を進めるスピード感も重要となります。
9.品質検査・チェック
製造プロセス中の商品や部品の品質を検査する作業。製造工程の各段階で、商品や部品の品質を検査し、規定された基準や規格に適合しているかを確認する作業です。
●主な検査例
・外観検査:製品の外観に傷や汚れ、変形などの不具合がないかを目視や特定の機器で確認します。
・寸法検査:製品や部品のサイズや形状が設計通りか、専用の測定ツールを使用して確認します。
・機能検査:電子部品や機械部品の場合、正常に動作するかの機能テストを行います。
●役立つ能力・資質
・正確さ:製品の品質を確保するため、検査の際の正確さが非常に重要です。一つのミスも許されない作業となります。
・機械やツールの操作能力:品質検査には特定の機器や測定ツールが使用されるため、これらの正確な操作やメンテナンス能力が求められます。
・品質に対する高い意識:製品の品質を維持・向上させるための高い意識やモチベーションが必要です。
・継続的な学びの意識:新しい検査方法やツール、技術が新たに導入される事も多いため、新しい知識を学び続ける意欲があると、この仕事にやりがいが出てきます。
これらの様々な軽作業の仕事は、一つだけする現場もあれば、複数の作業をこなす現場もあります。求人内容を十分に確認しましょう。
軽作業が向いている人
軽作業の内容は、業種や作業内容によって異なる中、特に向いている人はどのような特徴を持っているのでしょうか。軽作業が向いている人の特徴について詳しく解説します。
1. 手先が器用
軽作業の多くは、商品の梱包や部品の組み立てなど、手先を使った作業が中心です。そのため、手先が器用な人は軽作業に向いていると言えます。
2. 集中力が高い
検品作業やデータ入力など、集中力を要する作業も多いため、長時間同じ作業を行っても集中力を保てる人は適性があるかもしれません。
3. 物理的な体力に自信がある
軽作業の中には、立ち仕事や重い物を持ち運ぶ作業もあります。体力的に健康であることが求められることもあるため、自分の体力に自信がある人は向いています。
4. 細かい作業が得意
ラベル貼りや部品の組み立てなど、細かい作業を要するタスクも多いです。細かい作業が得意な人は、軽作業に適しています。
5. 繰り返しの作業を苦にしない
軽作業の多くは繰り返しの作業が多いです。同じ作業を続けることが苦にならない、ルーチンワークを好む人は軽作業に適性があるでしょう。
6. 人とのコミュニケーションを避けたい
多くの軽作業は、倉庫や工場などで行われるため、直接的な顧客との接触やコミュニケーションが少ないです。人とのコミュニケーションが苦手な人や、黙々と作業を進めることを好む人に向いています。
軽作業の給料相場
Indeedの採用市場レポートによる2023年11月調査によると、軽作業の平均的な時給は1,320円となっています。
関西圏の2府4県では、次のようになっています。
- 大阪府:1,360円
- 京都府:1,329円
- 滋賀県:1,359円
- 兵庫県:1,337円
- 奈良県:1,262円
- 和歌山県:1,285円
まとめ
軽作業は、「軽い」という言葉からイメージされるような簡単な作業だけを指すものではありません。実際には、企業の事業や製品の品質を支えるために、非常に重要な役割を果たしています。
また、多くの軽作業は特別な資格や経験を必要としないため、幅広い人々に就業のチャンスがある仕事でもあります。それぞれの作業ごとに役立つ能力、資質が異なるため、スキルの多様性もあり、自分の得意な分野や興味を持てる仕事を見つけ出せる可能性もあります。
是非この多様な軽作業の中から、自分に合った仕事を見つけ出しましょう。
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